【報告】「時代と無意識」2008年度 始動
4月16日、「時代と無意識」2008年度の第1回は、小林康夫拠点リーダーによる、短いながらきわめて情熱的なイントロダクションによって開始された。
今回のレクチャーは、元UTCP研究員、金杭氏による博士論文「セキュリティーの系譜学:生と死の狭間に見る帝国日本」に対する、小林氏からの応答である。
配られた資料は、金杭氏の論文冒頭で決定的な役割を演じたという、坂口安吾の『白痴』(1946年)の抜粋である。小林氏はそれを、むきだしの生の決断、そしてその決断への応答がもたらす、反国家的な最小限の生の共同体の生成と、国家による裁きをめぐって考察している。内容の詳細は、連載「思考のパルティータ」の次回に掲載される予定である。
配布テクスト:
坂口安吾『白痴』新潮文庫、1948年(青空文庫)
(報告:荒川徹)