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「イマジナリーな連帯」をめざして―国際シンポジウム「女性が開く公共世界」

2008.03.24 北川東子, 高榮蘭

2008年3月1日より3日までの三日間、神戸においてUTCP・「京都フォーラム」共催の国際シンポジウム「女性が開く公共世界」が開催された。

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この会議の主催責任者は、金泰昌公共哲学共働研究所長とUTCPメンバーの北川東子であり、東アジア各国(韓国・台湾・香港・中国)とアメリカ合衆国からの女性哲学者を講演者として招待した。また、日韓の儒教研究者や哲学者が討議者として参加し、さらには、日韓の「女性表象」についての比較研究の報告などがあった。UTCP若手研究員・高榮蘭さんも参加し、「両替される女性像―日韓の紙幣と『樋口一葉』『申師任堂』の表象をめぐって」と題された発表をおこなった。きわめて充実した三日間であった。

とりわけ有意義であったのは、金所長を中心とした「新たな公共哲学」の構築という哲学的プロジェクトと、フェミニズムの基盤に立った「イマジナリーな連帯」の思想との共通性と異質性を問う試みが行われたことである。そのさい中心的なテーマとして提示されたのは、言うまでもなく「儒教的伝統」をどう位置づけるかという問題であった。

この会議は、UTCPプログラムのひとつである「東アジア女性哲学ネットワーク」の第三回会議である(第一回は2007年1月に東京大学・総合文化研究科においてUTCP主催で、第二回は2007年7月に韓国・ソウル・梨花女子大において「韓国フェミニスト哲学連合」主催で行われた)。「東アジア女性哲学ネットワーク」は「東アジア的なフェミニズム思想」の構築をめざして結成されたネットワークであり、具体的な思想的分析の共有をめざしている。このネットワークのメンバーは、2008年7月のソウルにおける「国際女性哲学者連合」での総合セッションと「世界哲学会議」でのラウンド・テーブルを予定している。

(文責:北川東子)

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