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時の彩り(つれづれ、草) 017

2008.01.01 小林康夫

☆ 頌春(しるしと驚異)

みなさま、新年おめでとうございます。

本格始動から3ヶ月。キャプテンとしては、順調に巡航高度まで上昇したと思っています。あとは当分、ランディングを考えることなく、この高度を維持して飛びつづける所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

昨年末には北京BESETO会議に村田さん、信原さんを中心とするチームがまいりました。UTCPの若手研究者も発表し、実り多い会議であったとうかがっています。

また、この正月には、原さん、西山さんを中心にして、パリの国際哲学コレージュでUTCP主催のセミナーを行うチームが出発します。わたし自身も5日に出発して参加することになっています。

2月は入試等の学内業務がたて込んでいてなかなか動きがとれませんが、3月には、NYUあるいはハワイ大でのセミナー等も計画されています。この春は、国際的な連携の強化の季節ということになると思います。


年頭ですので、詩をひとつ引用させてください。


   年は季節を率いて

   壮麗に現れ、祝いはひろがる、

   人間の活動は新しい目標を追うてはじまる、

   こうして世界はしるしと驚異にみちている。


この後に日付があり、それは「1839年4月24日」で、註をみると「この日付は、ことによれば真実か」とあります。日付のあとに、さらに「敬白 スカルダネリ」。言うまでもなく、最晩年のヘルダーリンの詩(「春」)の一部です。河出書房新社版全集、手塚富雄訳ですね。書棚のいちばん大事な本がしまってあるところにおさまっている箱入りの全集第2巻を、いつも正月に取り出して「最後期の詩」のパートだけを読むことにしています。

この新しい年、みなさまにも世界にみちみちた「しるしと驚異」とが開かれますように……「日はかがやき 野は花咲く」。


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