羽田正 『東インド会社とアジアの海』
事業推進担当者・羽田正さんの著書が出版されました。
これは講談社から出ている「興亡の世界史」シリーズの第15巻です。
帯にはあざやかに「史上初の株式会社からグローバル化は始まった」とあります。
わたし個人としては、東インド会社の船の船倉の状態などの詳細なディテールが新鮮で「歴史」を読む醍醐味を味わいましたが、本書のもっとも強い主張は、「近代ヨーロッパは、決して地理的な意味でのヨーロッパとそこに住む人々が独力で生み出したものではない。」(「おわりに」)というところにあります。
西欧近代にとっての「アジアの海」――そこに「人類の歴史」へと向かう羽田さんのフィールドがあると言えるでしょう。
(文責・小林康夫)