「時代と無意識」プログラム報告 (2)
このプログラムは、わたしの大学院のゼミとUTCPのゼミないしワークサロンの相互乗り入れで運営されているが、基本的には火曜の6時から毎週、「時代」という概念を通奏低音として、発表と議論が行われている。
すでに報告があったピナスさんの講演(10月23日)があり、次の30日には千葉雅也さんが用意したドゥルーズのテクストに基づいて、ドゥルーズの「出来事の哲学」をどのように位置づけるかの討議が行われた。ついで11月6日にはRAの串田さんの発表でハイデガーにおける「時代」概念の検討。さらに13日にはワークサロンの形でUTCP若手研究員の中核である西山雄二さんにモーリス・ブランショにおける「時代」について詳細な発表をしてもらった(この報告もすでに当ブログ・コーナーにのっている)。順序が逆になるが、ハイデガー、ブランショ、ドゥルーズとつながるあるひとつの思考の筋を追ったことになる。わたしとしてはそれぞれの固有名詞とわたし自身が久しぶりに「つきあわされる」経験から、いろいろ多くのことを得た。若いときに夢中になって読んでいたときよりは、はるかによく見通しがきく空間で読めるという感じもするが、こういう「見通し」が誤りに導くこともあるだろう。だが、わたしの思考は、これら3つの固有名詞を縫うようにして、いわば存在論的な「時代」空間の非人称的なダイナミズムを考える方向へと向かっているようだ。来週からはフーコー・サイクルに突入する予定。(小林康夫)
高桑さんを迎えて「フーコーの後で」についての討議。第1期UTCPの研究員だった萱野さんもコメンテーターで来てくれる予定。
本学・情報学環の石田英敬さんを迎えて、『知の考古学』を中心にフーコーの「時代」概念に迫ります。
◆第8回(12月4日)
研究員の早尾さんのイスラエル・パレスチナ現場の報告会の予定です。
◆第9回(12月11日)
本学・表象文化論の杉橋さんにニーチェを語っていただく予定になっています。
◆第10回(12月18日)
中島さんに中国における「時代」という深い!問題についての問題提起をお願いしています。