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「哲学としての現代中国」第三回報告

2007.11.18 李英載, 哲学としての現代中国

中期教育プログラム「哲学としての中国」第三目の報告書は、李英載さんによる、「コンタクト・ゾーンとしてのポスト植民地アクション映画―無法天地の世界」という題での発表でした。映画研究という、李さんの専門の視点から、国民史の記憶が刻印されている「満州」という空間は、ウェスターンというジャンルの接触を通して、国家権力から逸脱した暴力の舞台として機能していた可能性が提示されました。

その逸脱とは、国家主義の映画制作が極めて強化されたとき、植民地時代の舞台設定に登場する、バガボンド、泥棒、殺し屋などが発揮する「委任しない暴力」に表象される。そこで「満州ウェスターン」は「下層階級の男たち」を召喚する下位のジャンルとして機能したが、一方では東アジアやハリウッドの表象世界のハイブリディティを通して、抑圧された「活力」が発生される装置としても機能しました。
逸脱する暴力、活力として溢れ出る暴力の過剰性は、男たちの「毀損された身体」の表象に反映させられ、失われたものの欠損部として、束縛の中の再生に対する、陶酔的で歪められた欲望を噴出させます。(感想文:デンニッツァ・ガブラコヴァ)」

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