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宮下志朗 訳/ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル 第三の書』

2007.09.18 宮下志朗, 出版物

事業推進担当者・宮下志朗さんの翻訳が出ました。『第3の書』(ガルガンチュアとパンタグリュエル)、ちくま文庫。

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ともかくラブレーの新訳を毎年一冊づつ上梓しているのだからすごい。今年は第3作目。かの有名な「たまきんブラゾン」などというたまげた金字塔が出てくる真骨頂。パニュルジュは結婚すべきか否か、という実践的な問いに対して、「両方ですね」と答えるトゥルイヨガン。ロンディビリスいわく「つまりは、両極端を参画せしめ、はたまた両極端を排除せしめることによりまして、時間をば、あるときはひとつの極端に、別のときはもうひとつの極端にと、分割することで、そういたすのでありまする」(394ページ)――おお、混乱と笑いと言説の16世紀。分割することで分割を廃棄する!論理。すでにはじめから「人間」は脱構築されていた!この「時間の分割」の論理はまっすぐに「共生」の論理へとつながっているはず。たまらんたまらん。しかし、すごい名訳!、洒脱な力業。さすが。(小林康夫)

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