破急風光帖

 

★  日日行行(371)

2020.06.30 Permalink

* フランス文学をやっている人間なら書棚には、かならずガリマール版の小さなPoésie(詩)のシリーズの何冊かがあるはずで、わたしも十数冊以上あるのですが、先日そこから抜いて手にとったのがPierre Reverdy 'Sources du vent'.(風のみなもと)。なぜかわからないけど、ルヴェルディの詩に思いが残っているという感じがします。友人の野村喜和夫さんも最近、ルネ・シャールの詩を翻訳した本を出しましたし、吉本素子さんの全詩集も出ましたが、わたしにとっては、ルネ・シャールは「挫折」です。ソルグ河をたずねたり、かれが住んでいた地方を旅したりもしたのだけれど、かれのフランス語にわたしのフランス語の力がついていかない、という挫折感を乗りこえることができませんでした。それにくらべれば、ルヴェルディのフランス語はまだついていけます。で、最近は、外に出るときに、このポケット版の詩集をもって歩いているのです。昼の風ですね。

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★  日日行行(370)

2020.06.29 Permalink

* 本来なら今日は、パリにいるはずでした。コレージュ・ド・フランスとユネスコを舞台に「悪」をめぐる哲学の国際シンポジウムが開かれる予定になっていて、中島さんらとともにわたしも参加するはずだった。でも当然ながら延期。シンポジウムのほうはまた別の機会もあるでしょうけど、パリの夏の光はいまや「遠い夢」。

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★  日日行行(369)

2020.06.28 Permalink

* 「日常非常」ーーこの言葉をめぐって、日本経済新聞の今朝の朝刊「文化欄」にエッセイを書きました。

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★  日日行行(368)

2020.06.24 Permalink

My Rose Garden(?)

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★  日日行行(367)

2020.06.22 Permalink

★ 黒田アキさんとイレーヌ・ボワゾベールさんと中川幸夫さんの作品が並んでいる居間の壁を前にして、わたしが喋ってました。

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★  日日行行(366)

2020.06.19 Permalink

* (つづき)その後、今度は、日本デザイン振興会の評議員会に。Gマークのグッドデザイン賞を出している公益法人です。いつもより大きな部屋でひとりひとりちがうマイクをもっての対面会議です。みんなマスクして。いや、会議そのものは(ここでは)どうでもいいので、終ったあとに、評議員のひとりである松本隆さんから本をいただいたのです。が、その本のタイトルが、これも仰天!『シニフィエを買いに。」(織研新聞社)
 松本さんは長らく西武百貨店で勤務し2013年からは社長もなさった方。80年代90年代の西武百貨店のマーケティング戦略文化戦略の現場を語ってくれている本なのですが、その中心コンセプトがソシュール由来の「シニフィエ」とは!!一応、パリ大学ナンテールの記号学の博士号をもっているわたしとしても、こう来るか!とびっくりでした。セゾン現代美術館という場を通じてのみ存じあげていた堤清二さんの経営者としての振舞いの様子がのぞけて興味津々。昨夜の読書は、西武百貨店からバングラデシュ、さらにはワールドシフトに妖怪と絵本とくるくる。いや、おもしろかった。
 夜は、どんな悪夢を見るかしら?と思っていましたが・・・なにごともなく目が覚めました。


★  日日行行(365)

2020.06.19 Permalink

* 昨日は、たくさん本をいただいた日でした。同時にずいぶんたくさんの本にサインをさせてもらったりしました。しかも場所は六本木ミッドタウンで。ひさしぶりに都会のまんなか。対面式の会議もほんとうに久しぶりでしたね。

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★  日日行行(364)

2020.06.16 Permalink

* 前回のトークのYouTubeは、税所さんの次のブログからアクセスできます。もし興味があるようでしたら、どうぞ。
 https://note.com/atsuyoshigcc/n/n5b55854d28c9

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★  日日行行(363)

2020.06.14 Permalink

* 「先生ご自身にとっての《影との戦い》はどのようなものだったのでしょう?」ーーう〜ん、それを聞いてくるか、といささかうろたえ、同時に感動しました。

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★  日日行行(362)

2020.06.11 Permalink

* 前回、まるでタロット・カードのように本棚から本を抜いて頁を開く技法?を披露しましたが、じつはあのときもう1冊引いた本があったので、でもそれは「偶然」ではないな、文字通りタロットがタイトルの「大アルカナ17」、アンドレ・ブルトンのいわゆる『秘法17番』(宮川先生の訳、つまり半世紀前に買った本ですね)でした。

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★  日日行行(361)

2020.06.09 Permalink

* 今日でひとつの区切りにしようかな。そういう気持ちになりました。青学の研究室の片付けをはじめてから約3ヶ月。本の整理、過去のドキュメントの整理、同時に、フランス現代哲学との「遭遇」の記録を書いていたのですが、もちろん片付けも整理もまだまだ終ってはいないのだけど、このまま過去に向かいあっているだけではいけない。新しいなにかをはじめなければならない、という声が湧き上がる。

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★  日日行行(360)

2020.06.03 Permalink

* 今日になってはじめて週刊『読書人』5月8日号を手にしました。「#こういうときこそ本を読もう」という特集で36人の人がこんなときだから読む「とっておきの本」を挙げています。わたしもそのひとり。字数が400字というので、ほとんど瞬間的な反応で1冊だけ選びましたが・・・

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★  日日行行(359)

2020.06.02 Permalink

* 6月に入りました。角をひとつ曲がった気がします。グレーの雲に覆われた空。新しい風景は見えません。でも、なにかトンネルをひとつ抜けて、また次のトンネルに入るわずかな空白の光かな。

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