破急風光帖

 

★  日日行行(521)

2021.12.31 Permalink

* 2021年最後の日、夕方、夕焼けはなくて、まるで水墨画のように、薄明の地にいくつかの黒雲が乱れ流れていく西の空をながめながら、ぼんやり今年のいろいろなことを思います。ともかく、世界は大きく変化しているその急激なカーヴの(いったいまだはじめのほうなのか、それともまんなななのか?)曲率にこちらの精神がついていけなくて放り出されるような感じもありましたね。

続きを読む

★  日日行行(520)

2021.12.27 Permalink

* 昨日は、青山のスパイラルホールに行って、2時間くらいかな、少しの時間でしたが、山崎広太振付のダンス・パフォーマンス「Becoming an Invisible City Performance Project 青山編ーー見えない都市」を観ました。なにものか、さまざまな他者が通りすぎていく「見えない都市」だったかな。都市的眼差しーーわたしもまた限りない通行人、でも通行人たちを観ている、見ている、視ている・・・祝祭・・・スパイラル旋回して・・・

続きを読む

★  日日行行(519)

2021.12.20 Permalink

* 昨日は、静岡まで車をとばして、1時間の舞台を観てきました。とても感動しました。静岡芸術劇場で行われたSPACの「綾の鼓」。三島由紀夫の原作ですが、わたしにとっては、仏語簡約「マハーバーラタ」で決定的な影響を受けたとも言うべきジャン=クロード・カリエールのテクスト。そして、笈田ヨシさんの演出出演。ダンスの伊藤郁女さんと音楽の吉見亮さんの3人が登場する現代版「能」なのですが、ダンスと音楽とヨシさんの存在感が対立しつつ統合されていて、みごと!深い刺激を感じました。

続きを読む

★  日日行行(518)

2021.12.18 Permalink

* 昨日、『存在の冒険』の見本が届きました。ナダールが撮ったボードレールの写真が表紙の本です。(まだ見本段階ですので、書店に並ぶのは、年末になると思います)。ほっとする、というか。不思議な感覚です。(245頁、水声社、2800円)「存在の冒険」以外に、同じ年に書いた「イマージュ」三部作、それ以前、22歳のときに書いた「劇(ドラマ)−−読むことについて」、「希望の詩学」も「補遺」として掲載させていただきました。わたしの「若書き」集。・・・でも、なぜか、恥ずかしいという感じはしませんね。わたしの「思考の冒険」の、これが出発点であったと素直に認めることができます・・・

続きを読む

★  日日行行(517)

2021.12.14 Permalink

* 前のブログに、今年2021年は、わたしの20歳代が回帰してきた年だと言いました。その続きですが、それは、やっぱり今年のはじめ(2月)に、日本経済新聞のコラム「こころの玉手箱」でわたしが23歳のときに描いた油絵を公開してしまったときからはじまったのだ、と思いました。

続きを読む

★  日日行行(516)

2021.12.13 Permalink

* 先週金曜の東大EMPの講義が終って、年内の講演講義などの「出演」系の仕事が終ったせいか、(校正作業も終ったし)、いつもの年より早く、この年が終るなあ、という感覚が湧いてきます。静かで、(矛盾していますが)かつ激しく、奇妙な年でした。

続きを読む

★  日日行行(515)

2021.12.07 Permalink

* ここ1週間ほどは、『存在の冒険』のゲラ校正の日々。再校さらに三校と続きましたが、昨日でやっと校了となり、どうやら年末までに刊行となりそうです。ボードレールの写真をアレンジした不思議な装幀もあがってきました。今年はボードレール生誕200周年なのだそうですが、ボードレールの「傷」としての「存在」の「詩」を通した「冒険」をスケッチしたわたしの若書き、46年間の忘却から浮上します。

続きを読む

★  日日行行(514)

2021.12.03 Permalink

* フランスから重い大きな小包が届いて、すっかり妻宛の荷物だと思っていたのですが、数日前に宛先はわたしだと気がついて、開けてみたらびっくり!なんと、本が2冊。しかし、本といっても、金色の箱で、それを開けるとさらに屏風絵の扉、そこにタイトルーーParavents japonais ーーPar la brèche des nuages (日本の屏風ーー雲の隙間から)。Citadelles & Maenod 出版。いちばん上には、アンヌ=マリ・クリスタン監修としるされています。

続きを読む


↑ページの先頭へ