破急風光帖

 

★   日日行行 (91)

2017.05.17

* 先週の土曜日、雨が少し落ちてきていたのですが、画家の日高理恵子さんのお宅にうかがって、お庭の木蓮の樹の下で、脚立にのって樹を見上げました。

 三島のヴァンジ彫刻庭園美術館で現在、開催中の彼女の展覧会にあわせて刊行される作品集のテクストのためでした。絵画において「見ること」そのものを問うたセザンヌ、ジャコメッティとならべて日高さんの絵画の「見ること」とはどういうことか、をめぐる彼女との対話も、木蓮の樹の下で、そして彼女のアトリエで、同時に行って、それをもとにこの2日間でテクストを執筆しました。
 先週の金曜夜は、国立新美術館で開かれている「ミュシャ展」と「草間彌生 わが永遠の魂〉」展をハシゴしましたが、前者の巨大な「スラブ叙事詩」連作にみなぎるアーティストの精神のパッションにうたれ、後者の1960年代の「無限の網」シリーズには深く感動、さらに「永遠の魂]シリーズの魂の祝祭には脱帽でした。いや、アートというものはおそろしい。どちらももう一度、観に行こうかな、という思いでいます(草間展は22日までですが)。
 この国立新美術館では6月には大規模なジャコメッティ展も開かれます。キュレーターは表象文化論のもと学生の横山さん。2014年駒場博物館でわたしがオーガナイズした「終りなきパリ」展で展示した、わたしがもっているリトグラフ「終りなきパリ」も一部お貸しすることになっています。


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