破急風光帖

 

★近況(5月)

2015.05.22

5月に入って、連休中は自宅で遅々として進まない『絵画の哲学』の原稿(最終ストレッチに入っています)を書きあぐねていましたが、10日には、銀座の資生堂のホールで、現在、東京都現代美術館で行われている展覧会「山口小夜子 未来を着る人」にちなんだトークを森村泰昌さんほかと行いました。

 山口小夜子さんとは、一度だけ公開の場で対談したことがあっただけですが、そのときは真っ赤な薔薇の花を捧げました。わたしが、あくまで公開の場のゲストに対してという条件下ですが、薔薇を捧げたのは、小夜子さんとピナ・バウシュの二人。そんなことからはじめて、いまこそ、小夜子さんを「日本的な美」のアイコンとして見るのではなく、ある意味ではどの文化どの地域にも帰属しない彼女の「本質」を理解するべきではないか、という方向の問題提起をしました。その方向性は、ある種のシャーマン性というべきか、小夜子さんとっては、日本もまた異郷だったのではないか、と述べて、あまりにも早く「還って」しまった彼女を惜しんだのでした。なお、資生堂のPR誌『花椿』の今月号にわたしの短いエッセイ(「なつかしき小夜、咲きこぼれる赤」)が掲載されています。
 なお、このBinoBaのこのイベントが、(ごめんなさい、訂正です)6月25日以降、以下の動画でごらんになることができます。(ステージの上のスクリーンの映像は、十数年前に東京デザインセンターで、わたしが小夜子さんを招いて行ったトークのときのものです。まだぎりぎり40代でしたね。)
https://www.shiseidogroup.jp/binoba/


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