★ 日日行行(371)
* フランス文学をやっている人間なら書棚には、かならずガリマール版の小さなPoésie(詩)のシリーズの何冊かがあるはずで、わたしも十数冊以上あるのですが、先日そこから抜いて手にとったのがPierre Reverdy 'Sources du vent'.(風のみなもと)。なぜかわからないけど、ルヴェルディの詩に思いが残っているという感じがします。友人の野村喜和夫さんも最近、ルネ・シャールの詩を翻訳した本を出しましたし、吉本素子さんの全詩集も出ましたが、わたしにとっては、ルネ・シャールは「挫折」です。ソルグ河をたずねたり、かれが住んでいた地方を旅したりもしたのだけれど、かれのフランス語にわたしのフランス語の力がついていかない、という挫折感を乗りこえることができませんでした。それにくらべれば、ルヴェルディのフランス語はまだついていけます。で、最近は、外に出るときに、このポケット版の詩集をもって歩いているのです。昼の風ですね。 続きを読む |