破急風光帖

 

★  日日行行(614)

2023.05.08

* 今夜はサントリーホール・ブルーローズで行われた「一柳慧さん お別れの会」に行ってきました。一柳さんの逝去については、本ブログの昨年10月「570」「571」で語っています。今日はあらためて、一柳さんが関係していたいくつかの財団の共催で会が行われました。

 6人の方が「お別れの言葉」を述べたのですが、そのなかに、ジャズ・ピアニストの山下洋輔さんがいらっしゃいました。70年代はじめ、新宿や渋谷のジャズの場でどれほど洋輔さんのトリオを聴いたことか!ほとんど半世紀ぶりにその姿を遠くから眺めて、なつかしかった!
 しかも、それだけではなく、その後には、高橋アキさんのピアノ演奏、宮田まゆみさんの笙の演奏までセットされていました。もちろん、一柳さんの作品。アキさんは「限りなき湧水」、宮田さんは「星の輪」。アキさんもまた、わたしの20代にコンサートでよく聴いたピアニストでした。CDだってたくさんもってます。そのアキさんのピアノ演奏を、いま、聴けるなんて!
 そして、宮田まゆみさんも、一柳さんからの依頼でわたしがかかわった「21世紀における芸術の役割」の第3回に登壇していただいて、わたしとの対話も行っているのです(『21世紀における芸術の役割』未来社、2006年)。一柳さん、あのときどうして、5年連続のそのイベントのモデレーターとして、私を起用してくださったんだろう・・・不思議ですね。ありがたいことです。
 今日は、宮田さんの笙の響きに、まさにGalaxy(星の輪)つまり「天」にのぼっていく路を感じたりしました。一柳さんを偲びつつ、自分の人生のいくつもの不思議な出会いのモーメント(刻)をあらためて思い出しながら、会場の隅にじっと座っていました。
 


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