破急風光帖

 

★  日日行行(488)

2021.09.15

* 昨夜、渋谷のレストランで、ある方とお会いして食事をさせていただきました。そして、この4月からずっと心の奥に抱えていた思いを解放することができました。

 お会いしたのは、落合真紀子さんという方。じつは、ご主人とともに、この4月に亡くなったわが師のひとりである渡邊守章先生の最晩年に寄り添ってくださっていた方でした。先生が突然倒れたいきつけのレストランにまっさきに駆けつけて、その後のいろいろな手配をしてくださったのも落合さんでした。わたしは、コロナのこともあってご葬儀にも行けず、情報はまったく入らず、思えば、2016年だったか、先生が京都でクローデルの「繻子の靴」を上演したときから、まったくお会いしていなかったので、その空白が重く心にのしかかっていたのでしたが、落合さんからいろいろお話しをうかがって、ときにはいっしょに笑うこともできて、心が晴れました。
 その人について語り合うということは、とても大事なことです。それは、一輪花を手向けることです。
 ようやく先生の「墓前」に一輪花を手向けることができました。落合さんに感謝です。


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