破急風光帖

 

★  日日行行(189)

2018.11.09

** 昨夜は、京都奈良から東京に着いた、フラマン夫妻(サンドラさん、パスカルさん)それにかれらの友人のパリの医者と学者の方々計4名のフランス人と銀座で会食しました。サンドラさんたちには久しぶりの顔合わせ。今年2月のわたしのパリ滞在のときには、かれらはヴェネチアに行っていて会えませんでしたので。

 話しはいろいろ弾みましたが、おもしろかったのが、パスカルが突然、スマートフォンを取り出して、わたしの顔を撮るというのです。なんで?というと、2012年だったか、パリにいたときに、パスカルの行きつけのオデオンの美容院に一度だけ行ったことがあるのですが、その美容師さんが、わたしのことを覚えていて話しに出るんだ、と。彼女のために、写真を撮るのさ、と。へえ??驚き。一度、髪を切ってもらっただけですよ。まだ覚えてくれて、なつかしがってくれるなんて。やっぱりパリはいいなあ。東京でそんなこと言われたことないもの。
 でも、パスカルも、わたしに、で、ヤスオはいま、授業でなにをやってるんだい?と聞いてくる。ほんと日本人でこういう関心をぶつけてくる人っていませんよね。「美」についてなんだけど、と返すとそこから、わたしのソウルでの講演のこととか、話がひろがっていく。個人に対して興味をもってくれるんですね。これがほんとうの友情の対話というもの。昨夜は、パスカルが、ラカンの講義に出ていた話なども聞きました。(なにしろかれは、もとスイユ社のオーナーだった人なので)。その人間の人生に対する「尊敬」というのかな、それがいかに大事か。
 かれらが東京にいるあいだに、もう一度、会いたいと思っています。
 


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