破急風光帖

 

★  日日行行(186)

2018.10.27

* 昨夜に続いてソウルです。シンポジウムは二日間の日程を夕方に終了。ホテルの部屋で、切羽詰まった原稿を書いています。今回は観光はなし。空港からホテルに来て、会場とホテルのあいだを往復し、そして明日昼の飛行機で帰ります。

 前回のブログに書いた中国人の若い建築家は、発表のなかでデリダやフーコーについて触れていたので、食事のときなどに、デリダはわたしの先生だったよ、などと話すとびっくり。きみが触れたフーコーのマネ論だって、わたしは20歳のときに東京で聞いているのですよ、などと「威張ったり」しました。同じく合衆国のジョージア州立大学から来た先生にも、彼女が発表したタイにおける死んだ子どもの祭祀をめぐって、それは、からだをあたえるという祀り方かもしれないとわたしなりの解釈を伝えてみたら、今朝、一晩考えたけどとてもいい解釈でいろいろなことがわかった、ありがとうと感謝されたり、多少は役に立ったかな。逆に、わたしの発表の後半部分は中川幸夫さんについてだったのだけど、ディスカッサントの李先生はなんと中川幸夫さんとも親交があったと聞いてびっくり。不意打ちでしたね、食事の席で言われたので、セッション中は秘めていらしたみたいですが。
 こういう裏のやり取りがおもしろいんですよね、シンポジウムというものは。今日のシンポではひとつだけ手をあげてアメリカ人の発表者に質問したのですが、終ったあと、観客のひとりが寄ってきて、質問がよかったとほめてくれました。まあ、長年やってましたからね。どのポイントをついたらおもしろくなりそうか、そのポイントを探すのが楽しみなんですね。
 いろいろ感じることも多かった秋のシンポジウムでした。
2517.jpg


↑ページの先頭へ