破急風光帖

 

★  日日行行(632)

2023.09.10

* で、今日の一筋は?・・・やはり読んでいる本に助けてもらうのが手っ取り早いかな。

 なぜか(理由はあるのですが)、今日は、セザンヌでした。とても昔に買ったセザンヌのドキュメント集(仏語)”Conversation avec Cézanne”、Macula, 1978.裏表紙についている値段表が、100、00となっていますので、100フランですね、わたしの留学時代に買ったものでしょう。そのなかのレオ・ラルギエ(Léo Larguier)の章を読んでいたら、1901−02年の頃ですが、若いラルギエに老セザンヌが、ボードレールの『悪の華』1899年版をプレゼントしたという話があって、そこに「燈台」をはじめとして、セザンヌが何度も読み返した詩のリストがありました。「猫たち」や「腐肉」などもあって、ちょっと予想外の選択でおもしろかったですね。
 セザンヌは、ある意味では、わたしの修論のテーマであったボードレールと並んで、わたしのキャリアの出発点でした。最初の評論集『無の透視法』の冒頭には1974年/77年に書いたセザンヌ論が収録されています。そちらもちょっと読み返してみたりして・・・うーん、あれから50年か、それほどは進化していないなあ・・・とも感じます。(アポリネールですが)「日々はすぎさり わたしはとどまる」ですかね?


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