破急風光帖

 

★  日日行行(619)

2023.06.04

* 6月に入りました。先週木曜に多摩美での特別講義第2回目を終えて、5月の「嵐」を乗り切ったという感じがします。今月はフェーズを転換する時期となります。〈夏至〉に向かって、かな。

 しかし、この多摩美からのお誘いはありがたかったですね。油画学科の日高理恵子教授・芸術学科の安藤礼二教授二人からのお招き。特別講義ということで、それぞれ3コマ/2コマ。若い人たちに向けて、わたしにとっての「絵画を問う」を話させていただいたのは、人生のいろいろなモーメントが回帰してくる時間でもあって、とても貴重な経験でした。
 それを元にして、ひょっとしたら『君自身の藝術へ』というような、わたしが考える存在のラディカルな縁への「冒険」へと誘う「若い人のための5つの迷走」みたいなテクストを書くかもしれません。そんな気持ちになりました。
 今月は、パリに行きます。
 昨年、同じ時期に行って、パスポート紛失など苦しい思いをして、やはりトラウマは残っているのですが、老いてくると、かつてはあれほど簡単だった「パリに行く」ということすら面倒になってきます。そういう衰えを感じます。しかも世界情勢は大きく変わって、航空券の値段という1点にしぼってみても、とても高額になり、まるでわたしが20代の頃のように「パリは遠くになりにけり」・・・それに屈しないという「抵抗」のためだけにでも、やはり行動しないと・・・みたいな感覚ですね。
 


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