破急風光帖

 

★  日日行行(598)

2023.01.27

* 少し空白があいてしまいました。2、3度書きかけたのですが・・・特に理由があったわけではなく、強いて言えば、わが「存在のエラボレーション」について考えていたから、と言うべきか。なにしろ、昨年発表された日本人男性の健康寿命が72,68年だったか、ならば、あと10日でこちらも73歳、これからがいよいよ「正念場」、と思ったら、やはり少しは「生き方」について思う日々がありまして・・・と。

 今日、午後散歩していて小さな花屋に入ったら、ミモザがありました。女性の花屋さんが「今日入ったばかり、今年の最初です」と言うので、では、それをください、と一輪買ってきて、机の上の一輪差しに差しました。だから、今日、春!ということにします。とても寒いですけど。

 この間、サイードの本もそうですが、ル=グゥインの『暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて』など、まさにLate Style についての本をいろいろ読んでいました。今週は、ミハイル・バフチンの最晩年の対談集の『バフチン、生涯を語る』(水声社)だったのですが、その最後に、78歳くらいのバフチンがロシアの詩人ばかりではなく、リルケやボードレールの詩を原語で朗読する場面があって、感動しましたね(この2年後にかれは亡くなっています)。
 そのボードレールの詩は「愛人たちの死」LA MORT DES AMANTS、いやあ、ボードレールで修論(「存在の冒険」)書いたのに、この詩は覚えていないぞ、これはいけない、とバフチンに対抗すべく(?)、すぐに『悪の華』を開いて・・・Nous aurons des lits pleins d'odeurs légères・・・と原詩を覚えようとしています。すっかり曇ってしまったわたしの「フランス語の鏡よ」なんて思いながらね・・・これもひとつのささやかなエラボレーションかもしれません。
 わたしの「神秘的な青と薔薇色の夕べよ!死ではなく」なんて!


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