破急風光帖

 

★  日日行行(563)

2022.08.21

* この残酷なまでに激しかった「夏」もどことなくピークをすぎて、もうそこまで「秋」が来ていることが感じられます。ならば、わたしもまた少しペースを取り戻すべきではないか・・・そう思って、ひさしぶりにこのブログにアクセスしています。

 『存在の冒険』、『クリスチャンにささやく』と過去のテクストを本として刊行していただいていることもあるかもしれませんが、やはり昔に自分が書いたものを読み返すことも多くなりますね。今週ある大手の建築設計会社でトークをすることになっているので、90年代に書いた建築についてのエッセイ(『建築のポエティクス』、『身体と空間』)を読み返したりしました。すると、リベスキンドとかヌーヴェルといった建築家と丁々発止のダイアログを展開しているわたしがいたりして、われながらおもしろい。いまでは、こういう「突っ込み」はできないだろうなあ、と勝手に、感心したりします。なにしろ、リベスキンドに向かって「あなたにとって線とは何なんだ?」とか訊いてるわけだから・・・でも、そうやってまだ工事中のユダヤ博物館を見るためにベルリンまで行ったりしていました。いい時代だったなあ。スリリングな出会いがたくさんありました。
 そういう本のなかでわたしが展開している問題設定が、いま、建築の現場でいったいどうなっているのか、そういうことを確かめるいいチャンスをいただいたと思っています。(そう、なぜか、90年代が戻ってくる感じなんですね・・・どうしてかな?)


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