破急風光帖

 

★  日日行行(547)

2022.04.24

* ふと気がつくと、このところ10日あまりも本ブログの更新をしていませんね。ときどきそういうことがありますが・・・このような誰が読んでくださっているのかもわからない、期待されてもいない文章を書くことに心が向かわないこともありますね。わたしはTwitterもFacebook もやっていないので、このブログだけが不特定の人への発信の場なのですが・・・どこかまだこういうコミュニケーション(?)に慣れないようにも思います。

 近況ということで言えば、6月に水声社から出していただくことになった、わたしの現代アート論集『クリスチャンにささやく』のゲラ校正がひとつの仕事でした。3月の京都や金沢で行ったパフォーマンスのテクストも織り込んだりしたので、多少の新しい執筆もあり、再校まで来ていますので6月には出版できそうです。
 そうそう、先週の金曜には、三年ぶりにベルリンから来日したTobias Cheung さんとなつかしい渋谷の居酒屋で日本酒を飲みながら旧交を温めました。これこそUTCPの遺産ですね。ありがたいです。「現役」に戻ったような感じがしました。そして土曜は、東大本郷のEMPの講義、これも、拙著『若い人のための10冊の本』を課題図書にして、受講生の方々と一対一の問答を試みるイニシエーションを踏まえて、わたしの定年後の課題である「四元数ベースの哲学」の展望を語らせてもらいました。わたしの拙い「哲学の歩み」を語る場をもてることはほんとうにありがたいことです。
 そして今日は、またしても新国立劇場にオペラ「魔笛」を観に行ってしまいました。「魔笛」はわたしにとっては、わが人生に随伴してくれたオペラです。別格です。いろいろな思い、思い出が交錯して吹き出てくる・・・William Kentridgeのなかなか挑発的な演出がおもしろかったですが、歌としては、砂川涼子さんのパミーナが素敵でしたね。『愛の妙薬』アディーナも彼女だったと思いますが・・・というわけで、あいかわらず、少し仕事をして、少し楽しんで・・・静かに(?)日常が進行していく・・・でも、いよいよ中断したままになっている原稿を再開しなければなりません。「明日からは・・・!」と自分に言い聞かせているんですけどねえ・・・
(じつは、この演出の「魔笛」は、二度目なんです。新国立の最初の公演のとき(2018年10月13日)に観に行っています。そして、その感想を、10月14日の当ブログに書いています。演出に関しては同じようなことを思いましたね。何度も同じものを見て、しかしそのどれもがちがっていて、そうして少しずつその作品が自分と不可分に、自分の一部になっていくわけです・・・このブログがあることで、そういう過去の自分にも出会えるわけですね・・・)


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