破急風光帖

 

★  日日行行(531)

2022.02.20

* 詩人で哲学者だったフランスのミッシェル・ドゥギーさんが亡くなりました。91歳でした。前回のブログを書いた直後に、都立大の西山雄二さんからのメールで知りました。すぐに反応することができなかったのですが、今日になってフランスの哲学者Jérôme Lèbreさんから、You tubeの
Le film repasse à l'envers : in memoriam Michel Deguy の映像の紹介が送られてきて、それを見ました。ジャン=リュック・ナンシーさんがドゥギーさんについて語る短いインサートもあって・・・胸が詰まるような思いでした。

 西山さんからはそのとき、2013年の3月だったか、パリで行われたカタストロフィーの哲学についてのシンポジウムのときに撮った写真も送られてきました。西山さん、ナンシーさん、ドゥギーさんなどに混じってわたしも写っている。たしかそのときには、わたしは、わたしが3・11のあとに南三陸や気仙沼などに行ったときの映像も流したのではなかったかしら?あまり記憶がはっきりしないのですけれど・・・たしかそのときに、ドゥギーさんからは、ガリマール社から出ているポエジー叢書の Comme si comme ça をいただいたはず。書棚から取り出してみると、pour Yasuo Kobayashi ensemble cet après-midi à l'institut de Paris en pensée, en amitié と献辞が書かれています。かれが94年だったか、奥さまを亡くされた直後に書いた断片的な詩的テクストを、帰国の飛行機のなかで読みふけったことを思い出しました。ちょうど1月に、かれの「ピエタ、ボードレール」を、必要があって、読み返したりしていたところでした。
 わたしは、ドゥギーさんとは、それほど思考がシンクロした感じがもてなかったのですが、これからはそれが変わるかもしれませんね。なぜか、かれのことを思うと、パリのリュクサンブール公園のかどの歩道のイメージが来ます。きっとそこを歩きながら、なにかを語り合ったのかもしれません。
 いずれにしても、時代が移っていく!そういう思いがますます強くなりますね。


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