破急風光帖

 

★  日日行行(525)

2022.01.15

* 昨日はArt二部構成の日だったかな。
  第二部は、座・高円寺で工藤丈輝さんのひとり舞踏「蹠の剃刀2022」を観ました。曽我傑さんの音響とともに80分の魔術的世界の熱演。すばらしかったですね、これぞ工藤さんの世界の全開だなあ、と嬉しくなりました。(公演は今日と明日までです!)

  高円寺に行く前の第一部は絵画でした。初台のオペラシティで13日からはじまった「ミケル・バルセロ展」です。とうとう東京に到着!まずは観に行かなくては。そして、ちゃんとわたしのポートレートも展示されているか、確かめてこなければ・・・と。出ていますよ。『思想』に掲載されたジャン=リュック・ナンシーの追悼テクストでもそのことに言及しましたが、ナンシーのポートレートももちろん。ただし、今回の展示では、わたしと彼は、並んではいませんでしたが・・・いや、自分のポートレートのことだけ言っていてはいけませんね、今回、観てあらためて感動したのが、最近作(2019〜2020)の「海」のペインティング。とくに「漂流物」かなあ?(展覧会は3月25日までです)。
 日本の4箇所で展覧会が開かれたのに、コロナ禍で、ミケルは来日できていませんね、残念です。かつてのように、広尾や青山のレストラン/バーで歓談したかったなあ・・・
 
 昨日は、工藤さんといい、ミケルといい、わたしの人生ではっきりとした交点が刻まれている人たちのArtの日でした。なんという贅沢だろう・・・これこそが、長く生きてきたことへの「ごほうび」だよなあ、とわたしが得たすてきな出会いにあらためて感謝の宵でありました。極論を言えば、Artって作品である以上に「人」だよなあ、「人」なるものの、まさに魔術的な不思議。そうそう。ミケルの世界と工藤さんの世界もけっして別のものではなく、触れあっているところがありますね。

 オペラシティに出品されているわたしのポートレートです。ほんとうは3枚あるはずなのですが、一枚はたしかミケルが合衆国で展覧会をしたときに売れてしまったはず。今回のは、まるでとっても若いときの「わたし」が浮かびあがってくる(と本人は勝手に思っています。「現在」はすっかり「ブリーチ」されてしまって!〈時間をブリーチする〉、おもしろくない?
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