★ 日日行行(514)
2021.12.03
* フランスから重い大きな小包が届いて、すっかり妻宛の荷物だと思っていたのですが、数日前に宛先はわたしだと気がついて、開けてみたらびっくり!なんと、本が2冊。しかし、本といっても、金色の箱で、それを開けるとさらに屏風絵の扉、そこにタイトルーーParavents japonais ーーPar la brèche des nuages (日本の屏風ーー雲の隙間から)。Citadelles & Maenod 出版。いちばん上には、アンヌ=マリ・クリスタン監修としるされています。
なかは300頁もあって、日本の屏風の原色カタログに日仏の著者による35本の論文が並んでいるのですが、その最後がわたしの論考。しかし、屏風についてではなく、佐伯祐三についてのもの。佐伯が晩年に描いたパリの建物の扉の絵を論じているのですが、それを「屏風」に見立ててくれたことになりますか。ありがたいことですね。これを書いた前後だったか、(もちろんフランスでも日本でも大学という場所で何度かご一緒しているのですが)アンヌ=マリ・クリスタン先生とも、パリのご自宅の近くのカフェでふたりだけでお会いしたことがありました。それから、あまり時間が経たないで、先生はお亡くなりになった。そういう「出会い」の時間が、これもまた、回帰してきます。今回は、金色の雲にのって。きっとどこかにずっと大事に保存されていくだろうこんな立派な本の片隅に、自分の外国語のテクストが残せて光栄ですね。