破急風光帖

 

★  日日行行(505)

2021.10.23

* 日本の明るい秋の光。遠くにすでに真っ白な富士山の姿がちらっと見えます。晴天。昨日、帰国しました。

 成田空港に朝着いて、それから唾液検査とかスマホにアプリを入れるとか、何枚もの書類を書かされて・・・(感染者の数が日本の数倍にも及ぶ)フランスの国境通過の面倒のなさに比べて、いったいこの国はなにをやっているんだろう?とあいかわらずの「島国根性」に辟易としますが、それがまだ続くので、これから2週間自宅待機!と。アプリで毎日確認?・・・ディジタル技術の悪用ではないでしょうか?フーコーの「監視と処罰」を思い出しますが、すでにわれわれは「監視社会」に生きていますね。今回は、日本とフランスとのあいだの「社会の作り方」の根源的な違い、「法」なるものの根本的な理解のズレに(どちらがいい悪いというのではなく)あらためていろいろ気づかされることが多かったですね。両極端とも言えるくらい違いますから。
 いずれにしても、なんだか「パリ」という「夢の時間」を生きているみたいな三週間でした。「夢のように」というのは「楽しい」というのではなく、なにかリアルではない感じ。「映画」を見ているような感じ。その最後のシーンが、たまたま空港に向かうタクシー(これがつかまらなくて結構、たいへんだったのですが)がエッフェル塔あたりからベルシーまでずっとセーヌ川沿いを走ってくれたこともあって、まるで映画のラストシーンのようで、それを見ながら、ああ、「ぼくのもうひとつの心」は涙を流しているなあ、と感じましたね。Sur(まちがいではありませんよ!)les ponts de Paris coulent la Seine et mon autre coeur! (パリの橋の上、セーヌは流れる、わがもうひとつの心もまた)かな? END マークです。

 いずれにしても、新しい「映画」がはじまらなければなりませんね。それが、青空の遠くの真っ白い富士山のマークからはじまるのは、必然ですね? どんな「映画」になるのかしら?
 


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