破急風光帖

 

★  日日行行(497)

2021.10.09

* 今日(8日です)は、パリは朝から素晴らしい天気。こんな日は滅多にないと、朝の仕事はほっぽり出して、近年のわたしのパリ定点のひとつである「森の帆船」へ。はい。ブローニュの森のフォンダシオン・ルイ・ヴィトンです。モロゾフ・コレクション展覧会でしたが、展覧会というよりは、この場所が好きですね。チケットも予約しないで行ったのでしたが、当日券ラインに並んだら、金髪の大柄のおばさんが「わたし1枚チケット余ってるから買ってくれない?」と。はいはいと、あっというまに入館できました。

 展覧会もすばらしく、1890年−1910年ですから、マチス、セザンヌ、ピカソ、ボナール、ドガ、ゴッホ、ゴーガン・・・等々の名作ばかり、どれも画集などで見たことのあった作品でした。やはりマチスに魅かれますね、それからピカソのアルルカン(道化)、ボナールにも・・・ああ、『絵画の冒険』満開の展覧会でした。

 この美術館、イベントホールへと降りていくと、船の舳先に出ます。水が押し寄せてきます。そして、すこしカーブしている黄色と鏡の回廊、ときどき鏡にうつる自分の姿を感じながら歩いていると、これまでわたしが歩いた、そしてまだ歩く人生の途のように思えてきます。
 帰りは、裏側の動物園の出口から出たら、途中、美しい孔雀2羽とすれ違いました。ほかに誰もいない道で、わたしの足下を孔雀がしずかに通っていく・・・いかなるextaseもない、しかしextase.

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