破急風光帖

 

★  日日行行(490)

2021.09.23

* 昨日、わが個人雑誌『午前4時のブルー』第4号(最終号)の見本ができました!!これはまだ見本なので本屋さんの棚に並ぶのは月末になりますが、特集が「いま、夜が明ける!」明日の紀尾井ホールでのコンサートのタイトルですので、会場で販売するべく少部数をつくっていただいたのです。第3号が2019年8月ですから、2年以上も経ってしまいました。これを最終号とすることにしました(4号までは出しました、ということですね)。

 まさに夜明け、薄いピンクの紙に夜明けのブルーがかかる表紙ですが、あけるとびっくり。原稿そのものが8頁グラビアで。吉増剛造さんの詩です。お願いして書いていただいた詩の原稿があまりに「作品」!、これはこのまま載せるしかない、と判断したのでした。本来、冒頭に来る予定だったグラビアは、あとのほうにまわりましたが、わたしのフランス語の豪華詩画集「水と火と」のためのイレーネ・ボワゾヴェールさんの作品です。
 コンサート関連で、歌手の田中彩子さん、指揮者の木許裕介さん、高山花子さん、齊藤颯人さんの原稿、音楽/音関係で、清水靖晃さん、オノ セイゲンさん、千種さつきさんの原稿が並びました。
 わたしは、「水と火と」の詩の翻訳に続いて、リルケの「ドゥイノの悲歌」に宛てて書いた「悲歌、さりながら祝祭」の2篇、そしていつものように「火と水の婚礼」断片集を書いています。
 でも、それだけでは終らず、最後の頁は、ボヤン・マンチェフがジャン=リュック・ナンシーのために書いた短い詩が、日仏両語で掲載されています。
 水声社刊行、1500円です。
 端から端までわたしの「庭」。でも、そこに友人たちが立ち寄ってくれている。単行本とは違う、こういう「雑」の「庭」、わたしは好きですねえ。わたしはそういうふうに生きてきたなあ、と思います。自分だけの作品よりは、誰かが訪れる「開け」であるような「場所」。そんなわたしの「冒険」もとりあえず、(いったん)終ります。


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