破急風光帖

 

★  日日行行(473)

2021.07.26

* ご案内のとおり、昨日は、代官山蔦屋で『ジャパノラマ』をめぐるトーク。配信は遠隔でしたが、われわれ3人(長谷川祐子さん、星野太さんとわたし)は蔦屋の会議室に集まって対面でお話しをしました。やはり語り合う人が「密」でなくとも「近」の場所に身体を現象させているというのが重要です。まさに、「身体と空間」(わたしが昨日話した軸のひとつですが)!それが、遠隔で多くの人の時空に「接続」されているのがとても今日的でした。(そうそう、「接続」という問題も語ってもよかったなあ・・・)

 わたしにとっては、長谷川さんとの出会いを少し振り返る思いもこめさせていただいて、彼女がキュレーションした、わたしにとっては衝撃的だった「Another World」展や「デジェンダリズム」展のことを語ったりもしました。2011年のイスタンブールのことまで語る余裕がなかったのが残念ですが、「70年代以降の日本の現代アート」ということになると、長谷川さんは、わたしにその扉を開けてくださった方のひとりですから。星野さんともあえて対立を演出してみたり、いつもながら、勝手に振舞って、楽しませてもらいました。すみません。おふたりの友情に感謝です。
 その後、この本を編集した水声社のみなさんも合流して会食。そこでYuko Hasegawaがどのようにつくられていったのかに関する貴重な秘密も教えていただいて、とてもスリリングな楽しい夜でありました。やっぱりアートはおもしろい。
 今夜は、代麻理子さんとの「存在」をめぐる対話です。さて、どういうことになりますか・・・・
もちろん、いくつかのドットはあるわけですが、その「時」の場のエネルギーの波に応じて、ドットのいくつかを瞬間的に選んで線で結んでいくわけで、そうするとその時だけの「形」が浮かびあがるわけですね。もちろん、たいていは失敗したりするわけですが、そこで自分の語りがどんな線を描いて、どんな形が浮かんでくるか、それがスリリングなんです。あらかじめ用意した原稿を一方的に読みあげるみたいな、緊張感のないだらだらの線ほどつまらないものはありませんから・・・そんなものは線ですらないので・・・


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