破急風光帖

 

★  日日行行(452)

2021.06.05

* 今朝の夢、強烈でした。いつものことですが、文化会館で行われるわたしの講演会に遅刻しそうになって焦るというところからはじまります。隣りの「永福町」に行かなければいけなくて、切符ももう買ってもっているのに、ホームに行ったらちょうど電車が出てしまうところで、次のを待つよりはと、切符をもったままエスカレーターをおりて駅を出てタクシーを探す、とうとう一台ドアを開けてまっていたのに乗り込んだら、その運転手がかつての東大表象文化論のおない年の同僚石光さんでちゃんと制服を来ている。東大やめてこんなことしてるんだね、と思って隣りの永福町まで、とお願いするのだけど、石光さんは車を左折させずに、崖の下の道を行こうとするので、こちらは降りてしまって、急いで「永福町」へ。もう30分も遅れている、だめだ、と絶望的な気分。「永福町」は、みたこともない混沌たる色とりどりの店が立ち並ぶ別世界。こちら茫然。文化会館がどこかもわからない。

 これかなあ、と楕円形のへんな形をした、まるでダイソーの店先のような混乱した建物に近づくと、そこに館長がいらして、それが、ブルーのきれいなスーツを着込んだ、これも東大表象のときの同僚・松浦寿輝さん。こちら、すみません遅れてと平身低頭、しかし松浦さんはあまり気にした様子もなく、まず展覧会を見てくださいと。と階上の会場に連れていって案内してくれるのですが、これが、まるでカオス。色とりどりの断片的物が無数に組み合わさった作品?が並び、しかもそのあいだにたくさんの若者が座り込んでいる。きけば、みんな1日中座りこんでいるのだとか。韓国からも大勢の人が来ているとの説明。はあ・・・展覧会のタイトルは「九つの部屋」ですよねえ?と聞いたりするが、九つの部屋のそれぞれの違いもわからない。これはだめだ、とついに、「モノ派で育ったわたしなんだから」と絶望の表明。でも「モノ派」と言ったときには、なぜかイヴ・クラインの青一色の画面が浮かんでいましたね。
 ああ、30分どころか、いまの時代に決定的に遅れてしまっているわたし、という意味だったのでしょうか。目覚めてもしばし茫然でした。それくらい強烈。起きてみたら、山の小屋のベッドには、この時期はそうなのですが、小さな蟻が何匹か這っていました。
 昨日の大雨もすぎて、曇りですが、空は明るいです。


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