★ 日日行行(437)
2021.03.31
* 昨夜のTDC(東京デザインセンター)の「桜の宴」、久しぶりに、かつてわたしの「舞台」であったマリオ・ベリーニのきわめてイタリア的な建築空間、とりわけその中心である広場状の大階段で10分ばかりのパフォーマンス・トークをしました。
「ああ、普段われわれが自分は人生の主役だと思っているが、いやなに、実は、自分にはけっして全貌のわからない舞台の一場面を無言のまま横切っていくだけなのだと納得し、しかしそこからそのはかない舞台でどう演技するのか、という生のただなかでの演劇の意識に目覚めさせられる。」という四半世紀前の拙著『建築のポエティクス』の一節を読み上げたりして。わたしもその階段を横切るようにのぼっていくひとりの通行人となりました。最後に、かぶっていた帽子を満開の櫻に向かって投げ上げたりして。おもしろかったですね。