破急風光帖

 

★  日日行行(434)

2021.03.19

* 今日は大阪に行きました。明日20日から、国立国際美術館でわが友人のミケル・バルセロの大規模な展覧会が開かれます。今日は記者会見の日ということで、館長山梨さんにお誘いを受けて観に行きました。なにしろ、ミケルが描いたわたしの(ブリーチの)ポートレートが出品!されているのですから。驚きの展開でしょう?観に行かないわけには行きません。

 かれがわたしを描いた作品は3点あって、そのうち2011年東日本大震災直後のポートレートは、(わたしの本『ミケル・バルセロの世界』には採録させていただいていますが)、ニューヨークの展覧会のときにたしか売れてしまって、今回は翌2012年に描いてくれたものの1枚です。
 ちょっとお見せしましょうか。

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 2011年のものは、ウィーンの展覧会に出品されていたときにウィーンまでわざわざ観に行きましたけど。それに比べれば、大阪は近い、日帰りできます。
 記者会見にも同席して、とうとうミケルの大規模な展覧会をわが国で組織してくれたことに、館長にもお礼をもうしあげつつ、わたしにとってのミケル・バルセロの絵画の意味を少し述べさせてもらいました。カタログにも書かせていただいたとおり「最初の画家・ミケル・バルセロ」という軸でですが。そうしたら、公式の記者会見が終ったところで、わたしのまわりに10名ほどの記者の方々がやってきて、いろいろ質問をなさる。それに即興でお答えしたりしました。こんなことはじめての経験でしたね。
 大阪に行く新幹線のなかで、2013年に未来社から出させていただいた拙著『ミケル・バルセロの世界』を読み返したのですが、わたしにとっては、哲学の出発点であったメルロ=ポンティーセザンヌというフィロソフィアを、ミケルを論じることで、わたしの思考が超えていくというチャレンジであったのだ、ということをあらためて思い知りました。そして、かれの絵画のあり方と、わたしが考えようとしているフィロソフィアのあり方が深くつながっていることを確認しました。
 こういう出会いがあったって、なんと素晴らしいことだろうとあらためて感謝の思い深く。
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 この展覧会は、大阪のあと、長崎、三重、そして来年には、東京にまわります。
 どうか、みなさんも観てください。お願いもうしあげます。


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