破急風光帖

 

★  日日行行(432)

2021.03.12

* 昨日はじつはもうひとつ出来事(?)がありました。
  自宅に包みが届きました。昨年8月末に東京大学EAA(東アジア藝文書院)で行われた中島隆博さんとわたしとの対話の記録の冊子です。

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70頁あまりのすてきな冊子です。昨年末に校正もしているし、中身は自分が語ったことなのだけど、「本」になるとまたちがうのですね、夜の講義のPP作りも放り出して、思わず一気に読んでしまいました。そしたらところどころ眼がうるみました。おかしいですね。老人の感傷ということなのか、でも、1950年日本の戦後の「青空」の下、東京の貧しい家庭に生まれたひとりの少年が、中島さんとともに世界各国へ赴いて哲学的対話の実践を行うにいたるまでの精神の道行き、それを読んでいるうちに、ああ、わがFURORここにあり!と思えて、このように生きられておまえ、よかったな、と言う心になったのでした。
 じつは、わが修論「存在の冒険」(ボードレール論)が浮上したのはこの対話がきっかけでした。このときは再読していなかったので、いま読むと、言ってることがちがっていたりもしますが、ともかく「存在の冒険」が、いまでも変わらない、わたしの格律であったことはまちがいないですね。(水声社さんのご親切に甘えて、この修論を含むわが20代前半のテクスト集を本にしていただくことになりました)。

 EAAのこの冊子ですが、さすが時代ですね、電子ブックも同時につくられていますので、ネット上で読むことができます。
https://www.eaa.c.u-tokyo.ac.jp/publications/dialogue-200831/

 わたしと同じく、どうしても紙媒体で、という方は
EAA の代表アドレス 【info{at}eaa.c.u-tokyo.ac.jp】にご相談ください。残部があれば、都合をつけてくださるかもしれません。


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