破急風光帖

 

★  日日行行(416)

2021.01.19

* 昨日は夜に、東大・生産研の遠隔シンポジウム「文化×工学」に招かれて、人文系を代表して中島隆博さんと稲賀繁美さんと3名で、工学への「提言」を語りました。わたしは、かなり過激なアジテーションの調子で、工学のリベラルアーツの教科書、それは結局は、「メタ工学」にならざるをえないのですが、それを駒場Ⅰキャンパス駒場Ⅱキャンパスと二つのキャンパスをジョイントさせてつくったらどうか、というきわめて実用的な!「提言」をしました。

 どう受けとめられたのか?わかりませんが、どうも年取って物わかりのいい好々爺になるという道はわたしにはないので、むしろいっそ過激に走るしかないという感覚かな。
 ちょうど最近頼まれて25年前の『知の技法』についての文章を書いたところで、そこでは、あの本は「一冊の革命であった」と総括したので、その余韻のまま、新しい「革命」を夢見たわけでした。人類の文化が大きく転換して、すべてが「工学』化していく。いや人造人工物ばかりではなく、生物も、宇宙すらもある種の工学的!な構築物として理解される地平がすでに開かれてしまっている。こういう時代だからこそ、工学が新しい「リベラルアーツ」の地平をしめすのでなければならない、という強い思いなのですが、また逆に、工学ほど多種多様な専門に分化している領域もないみたいで、その共通の地平、メタの論理を見いだすことはとても難しそうではあるようです。
 「工学の哲学」が必要な時代に来ていると思うのですが・・・(昔よく読んだバックミンスター・フラーのことなどを思い出しながら「提言」を考えていたのですがね・・・)
 


↑ページの先頭へ