破急風光帖

 

★  日日行行(410)

2020.12.31

* 大雪の地方もあるようですが、関東は真冬らしい明るい青空。遠くに見える富士山もようやく白く雪が光っています。大晦日。ようやく激動の2020年という年の最終日。しかし世界の混乱は一向におさまる気配はなく、むしろ災厄のカオスはよりいっそうその実態をあらわにしてくることはまちがいがない。なにかクリシェ(紋切り型)の願いや祈りを書きつけることすらむなしい気持ちになります。

 でも、わたし個人についていえば、この2020年は、わが人生のほとんどをすごした、いや、すごしただけではなく、わたしなりの仕方でそれを「愛した」現場から抜け出て、現役のキャリアを終了した、人生最大の転換期だったわけで、その転換、ーーーーじつは危ないところもあったと思いますがーーーーなんとか、わたしらしくできたかな、という思いがあります。1月に青山学院で行った最終講義ならぬセレブレーションの儀礼、2月の3週間のパリ滞在、3月以降のコロナによる緊急事態、そのなかで研究室をたたみ、さまざまな処分を行い、そして奇妙にもとても晴れやかな気持ちで自分自身と向かいあいました。おかげさまで、『日常非常、迷宮の時代1970-1995』(未来社)、『《人間》への過激な問いかけ』、『死の秘密、《希望》の火』(水声社)と3冊の単行本を出させていただきました。3冊合計で1000頁近くだから、もちろんあとの2冊はおもに過去のドキュメントなのですが、まあ、自分としては、一応これまでの「過去」をまとめて、そこから転回する精神的な土台はつくれたように思います。
 心残りは、わたしの個人雑誌『午前4時のブルー』の第4号に着手できなかったことかな。3号雑誌は嫌なので、もう1号はつくりたいと思っていたのですが、わたし自身の判断の迷いもあって、手がつけられませんでした。そこで連載している「火と水の婚礼ーー秘法XXI番」の続きはじつはとっくに書いてあったのですが・・・来年の課題です。
 (正月のお膳、これはわたしの担当なので、その買い出しのために、ここで中断です。今夜、続きを書きます)。


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