★ 日日行行(404)
2020.11.30
* 「煉獄のフランス現代哲学」の下巻の構成翻訳執筆をずっとやってきましたが、ついに最終ゲラの段階に辿り着きました。中途半端なテクストは山ほどあるのですが、一応、わたしの大学人としてのキャリアの軸であったフランス現代哲学との出逢いだけはまとめた形のものを残しておきたいと思ってやってきました。研究書ではなく、わたしの「冒険」の記録みたいなものですね。
まだ不確定なこともあり、見つからない資料もあったりで、はたして年内に予定通り刊行できるかどうかはまだ不明ですが、とりあえずタイトルを決めました。「死の秘密、《希望》の火」(Le secret de la mort, le feu de l'espoir)になると思います。下巻の中心は、ジャック・デリダとの出逢いなのですが、そのデリダに寄せたわたしの論文も「死と欲望」というタイトルでしたし、読み返してみると、追悼文なども含めて、やはりつねに「死の秘密」が問題になっていると思ったのですね。そして「火」です。「死」と「火」というわけで、最後に「返歌」として、今年1月に口頭発表した、能の「檜垣」とデリダの「火ここになき灰」を出会わせたテクストを添えました。だから、最後は「水のあはれ」です。「火」と「水」ーーーわたしのこの人生を賭けた問いですね。そのように細々と燃えて流れていくしかないかな・・・明日から師走。どう走ったらいいのか・・・?