破急風光帖

 

★  日日行行(403)

2020.11.26

*「運河と運河が交わり/出逢いと別れが織りなされ/そのように/ひとの生は雑Zattu/that's all right/さみしくて/でも/限りなく/いとおしい」
  「この手が石を割り、その石で木に土に「印」を刻んだ/人間は地球に「印」を刻むことでみずからの存在を印した/地球は「無印」、人間は「印」/そのことをけっして忘れない「印」ーーMUJI」

最初のテクストは、わが20代の友人・画家のペケキムラさんの小冊子『見えてくるようす』にわたしが書いたテクストの一節。もうひとつは、今日届いたのですが、MUJI無印良品の40周年記念のMUJIBOOKに寄せたわたしのテクストの最後の部分。
 去年の「難民をたすける会」の写真集のテクストもそうでしたが、最近は、このように人から頼まれたテクストがどこか詩的に突っ走ります。最初のテクストも、ペケキムラさんの展覧会を見に行ったら木村君からなにか書いてよ、と言われ、そこに展示されていたかれの絵を見ているうちに、気分的には、もう書きはじめていた、という感じ。無印良品のテクストもそんな感じでした。人から、ほんとうに依頼されると、その「呼びかけ」に応えて、わたしの詩心が動き出す。いつもそうでしたね。自分から出発しようとすると文章が硬くなって、結局、途中で放棄、断片となる。
 書きかけの途中で放り出されたノオトがどれくらいあるものやら。膨大な失敗の山。それでも、そのたびごとに、はじめる、そこだけに意味があったのでしょうね。やれやれ。


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