破急風光帖

 

★  日日行行(402)

2020.11.21

* もうひとつ追加です。昨日の日本経済新聞朝刊の「私の履歴書」の欄で、元東大総長の小宮山宏さんが、東大総長に就任したときに最初の入学式の式辞を4人の教授に相談した話を書いていました。そのうちのひとりがわたし。なぜか文学部教授ということになっていて、これは、教養学部こそわたしの「現場」と思って生きてきたわたしにはいささか不可解なミスなのですが、そこで「哲学者」である「小林さんが『結局、他人を感じる力ってことなんだよ』」とつぶやいたことが語られています。相談を受けたことは覚えていますが、なにを語ったかなんてすっかり忘れていました。もっとも、ときどき他の人から「あなたはあのときこう言った」と言われることがありますが、たいてい覚えていませんね。つまり、自分が覚えていないようなことこそ、他の人には、記憶に残るのかもしれません。そう思うとなんだか空恐ろしくなります。

 (閑話休題)最近、感動したのが、冬の薔薇。その蕾。すべての草が枯れ果てた庭に、それでも蕾をつけているピンクの薔薇一輪。冬枯れの世界でも咲こうをする薔薇がある。希望、そのように、あれかし、と祈ります。

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