きわめて個人的なことですが、この春からの１年で、思いもがけず７０年に及んだわが生に、なんらかの区切りの線を引こうと思っています。わたし自身のフランス現代哲学との遭遇を振り返ってまとめておこうというのもその一環ですね。なんとか９月末には、二巻本のうちの最初が刊行できるかもしれません。水声社さんのおかげです。ありがたいこと。
　でも、同時に、新しいことをはじめなければという思いも強いのですが、そう簡単には行きませんね。もっともこの「新しいこと」は、なにか社会のなかで認知されて場所をもつようなことではなくて、私だけにしか関わらない、いや、じつは、私にも全然関わらないようなことであるかもしれませんけれど。私の心の向こう側。なかなか難しいです。道なし、途方にくれますね。少しとまどうような、この８月という夏の一月を迎える気持ちです。