破急風光帖

 

★  日日行行(350)

2020.05.14

* 新緑にもえるカラマツの森のなかで一晩を過ごしました。今年はじめてです。

 標高1100メートル。「天使の影の谷」の「方舟」。これまでは「自粛」していたのですが、この季節の光を少しだけでも浴びようと昨日、決意してやってきました。フランス現代哲学関係の本は全部この小屋においてあるので、ある本がどうしても必要になったという事情もありますが。まったく誰にも会わず、どの店にも寄らず、直行直帰ですね。
 今年は辛夷もリラも花を見れませんでした。山吹もレンギョウやユキヤナギも終ってしまってます。先週日帰りで来たときに木蓮の花は見れたのですが、それも消えて、いまはズミが小さな花をつけているだけ。あとは地面にチューリップ。そして、いつだって、なにやらゆかし、小さなスミレ。それだけ。でも去年植えてもらった薔薇は元気そうで、これなら一月後には花が見れそうです。楽しみ。
 この時代、わたしなどは五合庵ならぬ、ミュゾットの館ならぬ、しかしこんな山奥にでも引き蘢るしかないのかもしれませんね。詩は降りてこないが、でも、なにかは訪れてきますね、きっと。さあ、なんでしょう?
 


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