破急風光帖

 

★  日日行行(353)

2020.05.19

* 『日常非常、迷宮の時代1970-1995』(未来社)の見本が届きました。「オペラ戦後文化論2」ということになります。260頁、2800円。来週には書店に並ぶのではないでしょうか。

 『未来』誌に連載していたときは、「星形の庭の明るい夢」というタイトルでしたが、出版社のご意向もあってタイトルが変わりました。なんだかコロナ災厄下のいまの時代のような感じがしますけど。基本的には、「道化」というフィギュールをめぐって展開した四半世紀の日本文化論。でも、あくまでも、わたしという視点からの「内部観測」です。5幕構成。最後の第5幕の二つの場は雑誌では発表していません。結局、90年代は、わたし自身が(自覚はなかったのですが)「道化』的に動きはじめていた時代でしたので、わたしが舞台の中央に出てくる感じにもなっています。
 でも、これで、ここ数年、2012年のパリのコレージュ・ド・フランスの講義からはじまった戦後文化論プロジェクトを、とりあえず終えることができます。1995年以降は、わたし自身の著作がカヴァーしてくれるはず。ワグナーの「リング」になぞらえたプロジェクトでしたが、5幕もの二つの作品で閉じることになります。

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