破急風光帖

 

★  日日行行(344)

2020.05.04

* 長年大学の研究室に溜め込んでいた膨大なドキュメントを狭い自宅に運びこんで、毎日少しずつ整理して捨てています。また同時に、前にも言いましたが、少しずつですが、わたし自身は「フランス現代哲学」とどのように遭遇したかをまとめようとしています。そうしたら、今日、発見がありました。

 発見したのは、A3の3頁ほどのテクスト。フランス語ですが、タイプしてありました。で、これがジャック・デリダの言葉。どうもわたしが質問をして、それにかれが答えているのですが、いったいいつどこでこれを行ったのか、記憶がはっきりしません。1983年にデリダが来日したときの講演について質問しているので、そのときか、あるいは翌年2度目に来日したときか。たぶんどこにも発表していないものだと思います。で、それを翻訳しています。なんだか不思議です。
 わたし自身の質問は記録がなくてデリダの長い回答だけ。でも、その回答を見ると、わたしが「大地」という問題を考えようとしていることがわかります。それが90年代の「大地論序説」につながっていくのだなあ、と思ったりもする。記憶は残っていないのですが、わたしは少なくとも30代の前半ですね。こういうchanceがあってありがたかったなあ、とつくづく思います。本で学ぶこともあるけれど、やはり直接会って学ぶということの重要さ。Merci です。


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