破急風光帖

 

★  日日行行(308)

2020.03.16

* 「密度行列は、単なる単一の状態ベクトルではなく、いくつかの可能な代替状態ベクトルの確率混合を表現するものと考えることができる」(ロジャー・ペンローズ『心の影2』(林一訳、みすず書房)

 コロナ・ウィルスではないのですが、昨夜から少し咳が出るので(平熱です)、これで電車に乗ると嫌がられるだろうな、と出かけるのはやめにして、1日家で片付けなど。そうすると、本棚の隅においてあるいくらかの数理・物理の本に目がいって、理解もできないのに、ぱらぱらと拾い読み。ほんとうは、このあたりをちゃんと勉強したかったのですけれど、やはり60歳をこえて、数学は頭に入りません。
 でも、この密度行列というのに魅かれますね。ここでペンローズは、例の「シュレーディンガーの猫」の話をもってくるのですが、わたしにとっては「生きている猫」と「死んでいる猫」は干渉可能なんですね。コヒーレントです。つまり「生きている」と「死んでいる」は確率的な差だと。もちろん物理学者は大笑いでしょうけれど。われわれはそのように複素数的に存在!しているのだと思いますけれど。そしてその問題は、この時空がさらに大きな次元に埋め込まれている、という方向に行くと予感するのですけれどね。
 ほんとうは、この密度行列の四元的構造をつかって、量子存在論というのをやりたかったんですけれど、この5年間怠けました。ああ、とため息が出ます。もう無理だよねえ??


↑ページの先頭へ