破急風光帖

 

★  日日行行(298)

2020.03.02

* 「世界はゆらいでいるのであり、クレオール化していくのである。すなわち世界は、森と海、砂漠と氷原といった、脅かされているあらゆるものを混ぜ合わせ、また慣習や文化、さらには、ついこの間までアイデンティティと呼ばれ、その大方が破壊されてしまったものを変化させ、互いにまぜあわせることで増殖していくのである」(エドゥアール・グリッサン『ラマンタンの入江』立花英裕ほか訳・水声社)p.79

 コロナ・ウィルスをめぐって、社会がこれほどにささくれだった沈滞へと突入してしまうと、どうも家で本を読んでいるしかない、というわけでもないのですが、昨日、前回ブログをアップしたら、そうだ、この3月は、毎日、自分が読んでいる本の一節をただ引用したらどうだろうと思ったのです。続くかどうかはわかりません。で、手もとにある読みかけの本から一節を抜きました。
 グリッサンとは、表象文化論立ち上げの最初の国際シンポジウムでお会いしたことがありました。彼が腰を痛めて整体師を手配したり、そんな過去の記憶を引っぱり出しながら、読んでます。
 この直前に、「群島的思想とは、揺らぎの思想である」という一文がありました。
(本の解説をする気はないし、書評する気もありません。ただ、一節を抜き出すだけですが、続くかな?)


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