破急風光帖

 

★  日日行行(288)

2020.02.06

* パリで70歳の誕生日を迎えました。特別な感慨があるわけではないけれど、夕方(日本時間ではすでに6日、パリ時間ではまだ5日ですが)、買物のときに、花屋で一輪薔薇を自分のために買いました。でも、花屋は「赤はないよ」と。で大輪のピンクの薔薇。なんとなくもはや「真紅の薔薇」の歳でもないのか、と妙に納得。

 70歳だというので、川崎市からは高齢者向けのバス料金半額パスが届いたりして、びっくりなのですが、自分自身はあまり「高齢者」になったという気がしない。成熟して老成した感覚がまったくない。むしろいままでできなかった「激しさ」を生きようとしなければならないのでは、と自問自答したりします。そういう態度があの「the last celebration in Aoyama」に現れていたと思います。
 YouTubeにあがっている、齋藤君が編集してくれたあの映像、フランスの友人たちにも紹介したのですが、みんなとても感動してくれました。ヴァンサンからは、「感動した。君の足、きれいだったよ」と。イレーネも「なにかすごいことが起こっている」と。
 いずれにしても、70歳というこの節目のモーメントを、パリで迎えることになったのは、わが人生の「運命」の象徴みたいなものかな。昨日の夕方は、95年に毎日通ったカフェ・ド・フロールでユキさんと待ち合わせ、今日は、次回作品の相談も兼ねて、モンパルナスのカフェ・ル・セレクトで、イレーネさんとランチ。「明日、誕生日でしょう」と彼女がご馳走してくれました。明日も、ヴィオレーヌさんとランチの予定になっています。人生賭けて、ひとつの街を愛した。そしてその街がいま、祝福を返してくれる・・・勝手にそう想像しておくことにします。

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