破急風光帖

 

★  日日行行(271)

2019.11.15

* ふと気がついたのだけど、今月に入って本ブログ更新していませんね。November Stepsーー蹌踉と踏み迷っているあいだに、もう冬の光が差し込みはじめています。

 今週は、公認会計士協会での講演(月曜)、取手市で市民特別大学講座の講義(火曜)、と忙しかったし、加えて月曜には、12月5日くらいに筑摩書房から刊行される、プリマー新書ですが、『若い人のための10冊の本』の最終校了などもあって、余裕がありませんでしたね。
 取手市での講演は、昼の1時からということもあって、もちろん聴衆の方々は60歳以上の方が多く、でも200名以上の方がホールを埋めてくださった。では、わたしと同世代であるこの人たちにいったい何を語りかけることができるだろう、とその二日前に考えてみて、結論が、いや、それは今度出る、16歳の子どもたちに語りかけることと違わないのではないか、となりました。それで、この『若い人のための10冊の本』のなかでわたしが傍点をふって強調したメッセージをパワーポイントに落として、それを語るという第1部を付け加えました。
 つまり、66歳こそ、16歳と同じだよ、「学び」ということに関しては、ということになるかな。わたしだって、いま、69歳だけど、19歳のときとそれほど変わっているわけではないような気がしますね。未来へのプレッシャーがない分だけ、より自由に学べるような気がします。問題は、いくら学んでも、片端から忘れてしまうこと。若いときは、覚えられたのに。いまだって、量子力学の本を読み、ヒッグス粒子の本を読み、フランス語で哲学の本も読んでますけど、ただ流れていくだけ、という感じもします。
 でも、それでいい、と。流れて行け、なにも思わずにただ流れて行け、とそう思っています。いつかどこかの岸辺に漂着するんでしょうから。どんな岸辺でしょうかね?花々咲き乱れる岸辺なのか、骸骨が山積みされた岸辺なのか。はてまた、ただ霧立ち籠めてなにも見えない岸辺なのか?しかし、なにを告げるのか、カアとそこに一声、鴉だろうか、鳴く声がどんより響く・・・といつのまに幻想の旅がはじまります。11月のステップス、ヤバイですね。


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