破急風光帖

 

★  日日行行(273)

2019.11.22

* でも、昨日はそれだけではなかった。カスリスさんにお会いする前の午後、新装オープンした渋谷のパルコに行きました。その8階にオープンした映画館Cinequintoで、ドキュメンタリー映画を1本観るために。

 映画は、PlayGround ---Stories behind Homme Plissé ISSEY MIYAKEです。わたしも現場で見ているのですが、2013年の国立代々木競技場第二体育館で行われた青森大学男子体操部による素晴らしい演技からはじまり、今年1月のパリ・ポンピドゥーセンターでのショー、そsて6月のヴォージュ広場でのショーの三つの現場のいわば生成過程を見せてくれるもの。感動しました。この演出をおこなっているDaniel Ezralowの発想とか、現場での振舞いとかに強い共感を感じました。きわめて短時間のあいだに、複雑な制約がたくさんある現場で、それでもひとつの祝祭の場を立ち上げていく力、その人間力、すばらしい。しかもそれがすべてビューティフルな身体とともにあるのです。ダンスですね。祝祭としてのダンスです。一瞬で終る、このほとんど意味のない無意味の意味、それこそがわれわれの生です。イッセイさんのデザインにあるこの生のよろこび!94年だったか、イッセイさんに駒場に来ていただいて、いっしょに繰り広げた「現場」のことを思い出しながら、にじむものがありましたねえ。
 
 


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