破急風光帖

 

★  日日行行(265)

2019.10.06

* とうとう本が届きました。昨日、国際便で総計814頁の分厚い本が届いたのです。Bret W DAVIS編のThe Oxford Handbook of JAPANESE PHILOSOPHY です。8月に刊行されたはずなのに、わたしには届かず、問い合わせても、発送しましたというだけ。で、先日、とうとうキレて、10月だぞ、再送してくれ、と頼んだ結果。今度は早かったですね。

 この最後のChapter 31がわたしのテクストで、The Komaba Quartet ----A Landscape of Japanese Phiosophy in the 1970sと題されています。70年代以降の日本の哲学について書いてくれ、と頼まれて、迷ったあげく、まさに70年代〜80年代、わたしが駒場という場所で出会った「哲学の先生方」4名を、勝手にカルテット仕立てにして紹介したのでした。井上、大森、坂部、廣松の4方です。それぞれわたしに強烈な印象を刻み込んだ先生方でした。この人たちの「哲学」を、人類の歴史に残しておきたい、駒場の知の核である哲学の先人たちの仕事を後世に伝えたい、その一心でした。それが、UTCPという哲学の名をもつ拠点を運営するリーダーであるわたしの義務だ、そんな感覚です。
 書いたのは、もう7、8年前かなあ。それがやっと、こんな立派な本になって、とわたしは嬉しいです。昨日、たまたま青学のわたしの院生たちが自宅を訪ねてくれたので、みなさんにお願いして、乾杯!してもらいました。
 これでフランス語の詩のテクストに続いて、英語の哲学のエッセイ(翻訳は清水君はじめ多くの人のお世話になりました)が出版されました。中国の先生からは、『出来事としての文学』の翻訳が終って、出版社も決まり、刊行に向けて動き出したとメールをいただきました。地球上のどこかに、わたしの思考を受けとめてくれる、とても数は少ないけれど、人たちがいる、そのことに感動します。 
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