破急風光帖

 

★  日日行行(258)

2019.08.28

* すばらしい出来でした。昨日、わたしのフランス語の詩に、イレーヌ・ボワゾベールさんが絵を描いてくれた見開き8頁のアーティスト・ブック。印刷は一頁ごとに行うという名人芸の仕事なので、出来ているのは、ただ1冊だけ。それに、彼女といっしょにサインをしました。出来上がったら限定15部の豪華本です。全部できるのは9月末とか。値段はまだ未定ですが、500ユーロくらいにはなるのでは。今年11月のパリのアーティスト・ブック・フェアPagesに出展の予定です。

 イレーネさんのアトリエに行って、本を見て、でもサインした本は彼女のギャラリストに見せるのだそうで、わたしは今回は持って帰れないのです。で、VavinのカフェLe Selectに行って、版元のヴァンサンさんとともに刊行を祝いました。2月にパリに滞在したときに二日くらいで書いたものですが、それを見てイレーネさんがインスピレーションを得て、すぐに8枚の絵を完成させました。二人の想像力が共振するというか、そういう経験ができたことが、わたしにとってはとても貴重です。彼女とはすでに次の作品についての相談もしています。わたしが詩人になるのは、フランスでなのでしょうか?

 ヴァンサン/イレーネさんと別れたあとも、わたしはカフェに残っていて、そこで今度は、友人の画家黒田アキさんと会って、2時間ばかりお喋りをしました。かれとはじめて会ったのが、1995年ですからすでに四半世紀。おたがい過去のことも回顧しつつ、今という時代について意見交換。アートというものもある意味では、終っているよねえ、でも、だからこそなんだよねえ、みたいなトーンと言いましょうか。たった1日だけですが、わたしのパリでした。

 いまはもうロワシー空港です。あと1時間半後のフライトで帰国します。
 きっとなにか、自分でもわからない「路」を潜りぬけたのだと思います。疲れましたが、ほっとしています。


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