破急風光帖

 

★  日日行行(240)

2019.05.13

* さきほど東京都写真美術館での宮本隆司さんの展覧会のオープニングに出席して、そのまま新幹線に飛び乗りました。いま、名古屋の手前。今夜は大阪泊まりです。

 明日はまる1日、奨学生のための面接です。この仕事ももう十数年やっています。選考委員のなかではもっとも古株になってしまいました。でも、全国各地の大学の2年生と面接することで、なんとなくですが、学生の変化、時代の変化を感じ取ることができます。貴重な機会でしたが、そろそろ引退の時かなあ、とも思いますね。

 この間、パリのイレーヌ・ボワゾベールさんとつくるアーティスト・ブックの最終テクストをつくってました。フランス語を妻にもチェックしてもらって。いや、多少フランス語ができるわたしではありますが、詩的なテクストは全然お手上げですね。「このコトバはリズムが悪い」とか、「意味はわかるけれど、どこか浮いている」とか、いろいろ言われて、そうだよなあ、論文などは、意味でもっていくのでなんとかなるが、詩はそうではない、言葉の触感というか、まとう沈黙というか、それが勝負だものなあ、と納得します。

 イレーヌさんからは、昨日は、イタリアにいる、とメールが。ミケランジェロのロンダニーニのピエタを見て感動したとその写真も送られてきたのですが、びっくりでした。なぜなら、わたしもここ数日、まさに画集のロンダニーニのピエタの写真を見て考えていたからです。
 なんという一致でしょう。シンクロニシティとはこういうことかもしれませんね。
と、夜を走る新幹線のなかで、ピエタのことを瞑想=迷走しているわけです。


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