破急風光帖

 

★  日日行行(211)

2019.01.27

*  昨日は、駒場でインドの演出家シャンカルさんと山田せつ子さんの「詩とダンス」の対話というのか、きわめてユニークなセッションを観せていただきました。

 シャンカルさんとは、一昨年のかれのサヒヤンデ劇場の水のカタストロフィー以来の顔合わせでした。他者には容易に理解できないだろう深いなにか因縁のようなものを感じます。そのかれが、われわれにはまったくわからないマライヤム語の詩を読み、その音と声にせつ子さんの身体が反応して踊り出すというスリリングなパフォーマンス。おもしろかったですねえ。インドの世界的な演出家を招いてのこういう実験的な試みが大学という場で行われることのすばらしさ。奇跡的なんですけどね、それをほんとうにわかる人がどれほどいるかしら?
 その二日前は、せつ子さんの師でもある笠井叡さんの大掛かりな「迷宮ダンス公演」、「高丘親王航海記」を世田谷パブリックシアターに観に行きました。澁澤龍彦の最後の作品を「魔笛」とぶつけつつオペラ的ダンスとして舞台化した大作。笠井さん全開という感じでしたが。わたしとしては、まだ消化しきれていない。澁澤さんのテクストにあまり馴染みがないということもあるのかもしれませんが。
 そして今日の日曜は、横浜の元町まででかけて友人のステンドグラス作家の平山健雄さんの横浜文化賞受賞記念パーティ。会場についたら、ご挨拶お願いしますと言われて、即興でスピーチするはめになりました。ステンドグラスこそ「神の光」をつかまえる西欧の核心のアート、それに一生かけて取り組むアーティスト平山さんをただしく認識しなければならない、とぶってみましたが・・・
(そうそう、このパーティで、大学院の学生だったころ、ずいぶんお世話になったなつかしい、自由が丘画廊のオーナーだった実川さんにお会いできたのは嬉しかったですね。実川さんは、アートの現場とはどういうものであるか、美術館だけでアートを見ている人にはけっしてわからない裏を教えてくれました。)
 いずれにしても、今年もまた激しく動きはじめているわたしの時間を実感します。


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